東京五輪の種目「空手」に出場される喜友名諒選手。
全日本選手権で史上最多の9連覇を果たした「形」の第一人者です。
2018年2月までの4年間で96連勝、2018年世界選手権で3連覇を達成するなど、日本選手で金メダル最有力と言われています。
圧倒的な成績を誇る喜友名諒選手ですが、流派が気になるところですよね。
今回は、空手の流派や指導者、所属している空手道場について詳しく調べてみました。
喜友名諒の流派や指導者は誰?
喜友名諒選手は沖縄出身の空手家です。
流派は古来沖縄に伝わる「劉衛流(りゅうえいりゅう)」。
指導者は「佐久本嗣男」先生ということがわかりました。
劉衛流とはどんな流派なのか?佐久本先生とはどんな方なのか詳しく書いていきます。
流派は一子相伝の劉衛流
劉衛流とは、沖縄に古くから伝わる伝統的な流派です。
19世紀、那覇市久米村生まれの仲井間憲里氏が中国で6年ほど修行して持ち帰った拳法が起源。
その後、仲井間家に一子相伝で代々継承されてきました。
現在、この流派を継いでいるのが5代目の佐久本嗣男氏です。
この方が、喜友名諒選手の指導者なわけですね。
ですが、佐々本氏は仲井間家の出身ではありません。
代々「秘伝」として伝わっていた流派がこのように広まったきっかけは、佐々本氏の劉衛流との出会いがあったのです。
佐久本嗣男氏は、沖縄で高校で教師として働いていました。
元々空手をしていた佐久本氏は、「変わった空手をしている人がいる」との話を耳にし、
会いに行った人物、それこそが劉衛流開祖・仲井間憲里の孫の仲井間憲孝氏だったのです。
何度も空手を教えてほしい言っては断られを繰り返した結果、最終的に許可が下り、師弟関係は19年続きました。
中国武術は秘密主義が強いため、軽々しく弟子をとったり、流派を名乗ることも禁じられていたということですね。
現在、劉衛流は、沖縄県下に12の道場をもち、600人以上が汗を流しているそうで、かなり広がりを見せているようです。
道場責任者の多くは、佐久本が高校教諭時代に指導した生徒たちなんだとか。
喜友名選手は5歳から空手を初めています。
佐久本先生は喜友名選手の空手家としての原石を見つけて魅了され、門外の弟子は取らないと言われていた掟を破ったのかもしれませんね。
劉衛流の型や特徴
- 相打ちの先:攻撃と防御が必ず一緒になっている事で、「攻防一如」とも呼ばれる。
- 一足二拳:徹底的に攻める事を身上とし、一歩踏み込む間に、二本突くという事で、一歩目が、地面に着く前に素早く、二連突きを決めなければ、意味がない。
- 上肢と下肢は一致する:動きの中で、上半身の動作と下半身の動作をバランスよく連動させる。
- 虚をつくらない:構えるにしろ、技を仕掛けるにしろ、不用意な動作、虚(スキ)を決してつくらない。
- 一眼二足三胆四力:一番大切なのは、目付(間合をとり、人を射貫くような鋭い目)。
二番目は、立ち方・足の運びなどの運足法(後ろ足での決め)。
三番目は、胆力(勇気や決断力)。
四番目、最後に力であり、力には、頼るなという事である。
https://blog.goo.ne.jp/shiryu56/e/4e366015a5418de0ca214349bc2c2b3a
指導者はギネス認定の佐久本嗣男先生
劉衛流4代目宗家仲井間憲孝に師事し、劉衛流をおさめる佐久本嗣男(さくもと つぐお)先生。
ワールドゲームズ空手部門・形競技において7連覇の偉業を成し遂げており、この記録はギネスブックに認定されています。
喜友名選手も4年間で96連勝、世界選手権で3連覇という偉業を成し遂げているので、師弟ともに凄い方なんだなと感じます。
喜友名選手は、佐久本先生の
「空手で優勝するだけではなく、空手を手段としていろいろな人や文化に触れて世界を広げる」
という言葉を胸に空手をしていると語っていました。
過去に逮捕も・・・?
そんなストイックな佐々本先生ですが、過去に逮捕歴があるようです。
2016年2月のこと。
香港紙、明報(電子版)などは21日、香港に空手を教えに来ていた佐久本嗣男氏ら日本人2人が、入境条例違反(不法就労)の疑いで香港当局に19日に逮捕されたと報じた。既に釈放された。
香港の日本総領事館は事実関係を確認中だとしている。
佐久本氏は沖縄県出身で、世界空手道選手権の男子個人形で3連覇を達成した。
同紙などによると、香港空手道総会の招待を受け5日間の日程で、香港体育学院で指導する予定だったが、同総会が就労ビザを申請していなかったという。
香港の法律では、就労可能なビザ無しでの外国人の雇用は禁止されています。
就労者は最大2年間の懲役刑と最大50,000香港ドル(約75万円)の罰金、雇用者は3年間の懲役刑と350,000香港ドル(約525万円)の罰金が科される可能性があります。
そのため、5日間の短期就労であっても必ずビザ取得をおこなう必要があるそうなんです。
今回は、香港での就労に関する十分な理解がなかったことからこのような問題になってしまったのでしょう。
逮捕と聞いて、何か犯罪を犯したの!?と思ってしまいましたが、単純に情報不足によるものだったのですね。
少し気の毒な気もしますね。。
喜友名諒が指導する空手道場の場所はどこ?
喜友名選手は2014年から、沖縄市大里公民館で指導をしているようです。
かなり人気なようで、多くの人が通っている同情なようですよ。
劉衛流喜友名龍鳳館
- 日時:月曜日・木曜日
- 時間:18:30~21:30
喜友名選手を見れるかわかりませんが、練習風景を見学できる可能性はあると思います。
見学するときは一度電話で確認してみることをおすすめします。
喜友名諒の経歴プロフィール
喜友名諒選手の経歴を表にまとめました。
2012年 | 世界空手道選手権大会 3位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
同年 | 全日本空手道選手権大会 1位 |
2013年 | ワールドゲームズ 3位 |
同年 | アジア シニア空手道選手権大会 3位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
2014年 | 世界空手道選手権大会 1位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
2015年 | アジア シニア空手道選手権大会 1位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
2016年 | 世界空手道選手権 1位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
2017年 | ワールドゲームズ 1位 |
同年 | アジア シニア空手道選手権大会 1位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
2018年 | 世界空手道選手権 1位 |
同年 | アジア シニア空手道選手権大会 1位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
2019年 | アジア シニア空手道選手権大会 1位 |
同年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
2020年 | KARATE1プレミアリーグ 1位 |
経歴を書きましたが、どれも素晴らしい戦歴ですよね。
ここまで強くなるまでどのような空手道を送ってきたのでしょうか?
キッカケについても調べてまとめました。
喜友名諒が空手を始めたキッカケは?
喜友名諒さんが空手を始めたのは5歳の時です。
強くなりたい!!というのがキッカケだそうです。
5歳から道場に通い、中学校でも空手部に所属していました。
中学での戦歴は、中学2年のときに全国優勝をしています。
全国優勝をしたあと、中学校3年生のときに転機が訪れます。
現在の師匠である佐久本嗣男先生の道場に見学に行くと、世界一にもなった豊見城あずさ選手や嘉手納よしえ選手がいて、2人の演武を見て衝撃を受けたそうです。
佐久本先生の流派「劉衛流」は門外の弟子は取らないという掟がありましたが、中学3年で劉衛流に移籍し更に空手の道へと突き進んでいきます。
高校では国体3位という戦績を残し、大学へと進学。
大学へ進学し頭角を表します。
大学2年のときに全日本学生空手道選手権大会と東西対抗戦で3位。同年12月の第38回全日本空手道選手権大会で5位となりました。
翌年大学3年のときには、全日本学生選手権で優勝しました。
4年生になった喜友名選手は国際大会に出場し、東アジアシニア選手権大会では優勝を果たしています。
同年に行われた全日本学生選手権で連覇を達成、世界学生空手道選手権大会の決勝で、スペインのダミアン・キンテーロに敗れたものの準優勝を果たしています。
まとめ
今回は東京五輪種目空手に出場する喜友名諒選手について記事をまとめました。
流派は劉衛流で師範は佐久本嗣男先生。
5歳から始めた空手は、大学で頭角を現し、連覇を達成するなど凄まじい活躍を見せています。
今年はオリンピックが開催されるか微妙なところですが、開催されたときは優勝を目指して頑張ってほしいなと思います。