2020年9月、福島県会津若松市の猪苗代湖で、プレジャーボートに突っ込まれた8歳男児が亡くなられた事故。
1年後の2021年9月に業務上過失致死傷の疑いで逮捕されたのは、会社役員の佐藤剛容疑者でした。
佐藤容疑者は、同乗していた約10人に「何も無かったよな」などと口止めしていたことも判明しており、
同乗者が航行中に撮影した動画には、異変に気付いて「やばい」などと慌てる関係者の声が記録されていたそうです。
今回は、一連の事故の詳細や動画についてまとめました。
猪苗代湖ボート死亡事故とその後の詳細
2020年9月、福島県会津若松市湊町の猪苗代湖の中田浜で、水上レジャーをしていた家族がプレジャーボート(クルーザー)に巻き込まれた事故。
- 豊田瑛大君(8):死亡
- 瑛大君の母親の舞子さん(35):両足切断の重傷
- 瑛大君の兄(10):軽傷
- もう1家族の中澤翔愛君(8):重傷
という悲惨な事故となってしまいました。
気づけばモーターボートが目の前に
豊田さん一家は事故当時、父親の水上バイクで浮かぶものを引っ張る「トーイングスポーツ」をしていました。
瑛大君たちは、湖面に浮かんで順番を待っていました。
すると、急に大きなエンジン音がして、目の前にクルーザー(モーターボート)が現れたそう。
母親は「アクセル全開でエンジンをふかすような低く響く音で、一斉に振り返った」と話す。
気付けば、目の前にモーターボートの船首が近づき、避ける間もなく巻き込まれた。
逃げる間もなく家族は巻き込まれ、ボートは走り去ったそうです。
この時、瑛大君の父親は、家族から離れた場所にいました。
父親も、家族がいる方向からモーターボートが沖合に向かっていくのが見えたそうで、その直後、ほかのレジャー客から事故を知らされたそうです。
水上バイクで現場に戻ると、湖面に瑛大君が浮いていた。
息がないことはすぐにわかった。
近くで足を負傷していた妻らを岸まで運び、救急車が来るまで夢中で妻に声をかけ続けた。瑛大君を助けに戻りたかったが、付き添いで病院に行かなければならず、胸が張り裂けそうな思いで中田浜を後にした。https://www.yomiuri.co.jp/national/20210915-OYT1T50066/
息子の瑛大君は慰安室で冷たくなっていた
父親が瑛大君と対面を果たしたのは、事故から数日後、会津若松署の霊安室でした。
横たわった体はやわらかいのに冷たい。
「もっと触りたい、抱きしめたい」と思ったが、自分の体温で体が傷んでしまいそうで手が止まった。
「自分が家族を連れて来なければこんなことにはならなかった」と後悔した。https://www.yomiuri.co.jp/national/20210915-OYT1T50066/
事故後、父親は精神的に追い詰められた時期もあったそうです。
仕事中に急に瑛大君の顔が浮かんで涙が流れ、周りから奇異の目で見られたこともあったのだとか。
今は、奥さんとともに瑛大君のお骨が入ったブレスレットを肌身離さず身に着けているそうです。
瑛大君の母親も義足生活に
瑛大君の母親も、事故で両足のひざ下を失い、義足の生活を送っています。
母親の義足のカバーには、息子が亡くなる前の夏休みに育てていたヒマワリの花をあしらっているそう。
「明るく笑っていた瑛大のイメージと重なる。少しでも近くにいたい」との思いを込めた。
猪苗代湖ボート死亡事故の動画は?
事故当時、同乗者が航行中に撮影した動画もあるようで、
その動画には異変に気付いて「やばい」などと慌てる関係者の声が記録されていたそうです。
また、船がそのまま去って行く様子も写っていたとのこと。
操縦していた佐藤容疑者は、同乗していた約10人に「何も無かったよな」などと口止めしていたことも判明しています。
これらの事故当時の動画については、公開されていません。
しかし、事故から5時間後の佐藤容疑者が映る動画がありました。
警察から事情を聞かれている佐藤容疑者と同乗者10人の様子が映し出されています。
ボートの座る位置を確認している様子などが見られました。