2022年2月20日、歌手や俳優として活躍された西郷輝彦さんが亡くなられました。
「なんとかもう少しだけ好きな仕事をさせてほしい」と、懸命に闘病生活に励まれていましたが……
悲報が届き、西郷さんと親交のあった著名人の方々もお悔やみのメッセージを公表されています。
多くの人に愛されたスター、西郷輝彦さん。
今回は彼が選んだ治療法などについて紹介します。
西郷輝彦のがん治療法はどんなもの?
2011年に前立腺がんが判明、全摘手術を行った西郷さん。
しかし2017年にがんが再発。
それから11回も放射線や抗がん剤などの治療を行われましたが……
2021年4月にはステージ4、去勢抵抗性前立腺がんを公表、その際にがんが骨にも転移していたことも明かされました。
医者からは緩和医療を勧められたりもしたそうですが、しかし西郷さんは国内で未承認の最先端治療を受けるためにオーストラリア、シドニーへと渡られました。
PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーの数値が急上昇し、主治医と相談した結果、シドニーで最先端治療を受ける決断をしたと明かす西郷。
引用:exciteニュース
西郷さんが受けられた治療は、「ルテチウムー177PSMA-617」と呼ばれる新規標放射線治療法。
先述の通り日本ではまだ未承認ですが、海外ではポピュラーになりつつある治療でもあるようです。
簡単に説明すると、前立腺がんによって出てくる特殊なタンパク質のPSMAに放射性物質のルテチウムを結合させることで、PSMAを発現している細胞=がん細胞だけを狙い撃ちすることができる治療法なのです。
静脈に薬剤を注射します。がん細胞に集まった薬剤が体内で放射線を出すことによって治療する内用療法です。画像診断によって、リアルにがんの状態を診ることができるのです
引用:exciteニュース
点滴で薬剤を投与するだけの治療法なので、身体に対する負担が少なく済むのが魅力。
一方で、健常な唾液腺を照射してしまい唾液が出なくなるといった副作用を及ぼすこともあるそうです。
西郷輝彦のオーストラリアの病院や費用はいくら?
西郷さんが治療を受けていた病院の名前などは明らかになっておりません。
西郷さんが受けていた治療を行っているシドニーの病院としては……
- マクアリー大学病院
- ワラタ・プライベートホスピタル
といった名前が挙がっているようです。
どちらにしても、流石に豪華な外観です。
西郷さんは今回の治療に際して、家族そろって4ヶ月ほどシドニーに滞在されたそう。
滞在費だけでもそれ相応の金額になることが予想されます。
また、最先端治療とだけあって治療費も高額。
2カ月に1回の治療を4セット行う場合、1回当たり約150万円ですから、治療費だけで約600万円かかります。
引用:exciteニュース
治療費600万円に滞在費を足して、シドニーでの治療は1000万円ほどを要するだろうと報じられていました。
日本では受けられない治療。
ですが世界に目を向けるとポピュラーになりつつあったという本治療を受けるのに、どうして西郷さんはオーストラリアを選ばれたのでしょうか?
その理由は、コロナ渦だったこともあり入国容易な国が限られていたからかもしれません。
オーストラリアも2021年5月当時はコロナの影響もあり鎖国状態のようなものだったそう。
ですが、オーストラリアは病人に対するビザの発行が緩めで、「個別の事情」により緩和されることがあったみたいです。
命はお金に替えられませんし、迅速に治療に移るために最も都合の良い場所がオーストラリアだったのでしょう。
西郷輝彦の治療の経過は?
西郷輝彦さんは、シドニーに移ってからYouTubeチャンネルを開設。
数度にわたって近況を報告していました。
7月30日の一度目の治療の際には、治療後にPSA(前立腺特異抗原)という数値が470から510に上昇したことを報告。
日本にいたころは325だったことに加え、内蔵や白血球などはさしたる問題がない分、西郷さんのショックは大きかったとみえ、「治療したからこその高どまりともいえる」と一定の理解を示しつつ、明らかに落胆した表情
引用:ねとらぼ
治療を受けることを志したのも、この数値が急上昇したことがきっかけ。
治療を経て「100か200かは下がるだろう」と推測していた西郷さんはこの結果に大きくショックを受けたようでした。
8月30日の二回目の治療の報告では、治療前後のCT画像を見比べて、がんが消えていることが発覚。
2021年の日本テレビ系列の24時間テレビでも現地から出演し、「がんが消えた画像をこの目で見た」と報告されていました。
しかし、この時PSAの値は800まで上昇していたんです。
原因不明の数値上昇に、オーストラリアの医師からは「治療を中断して日本で調べた方がいい」と日本での検査を勧められ、日本の医師からは「がんは消えている。あとはあなた次第」と今後の治療については自主判断を促されたとのこと。西郷さんは動画内で、「PSMA治療を中断して日本へ帰るなんてとんでもない。こっちで調べて、調べて、検査して、検査して、必ず3回目の治療をやる!」と現地での治療を継続することを力強く宣言していました。
引用:ねとらぼ
原因不明の数値上昇に一抹の不安を抱えていた西郷さん。
彼が明かした治療の近況はこれが最後となっていました。
まとめ
今回は西郷輝彦さんについてのお話でした。
歌手としては橋幸夫さん、舟木一夫さんと共に「御三家」として名を馳せ、役者としても多数のドラマ、映画に出演された西郷さん。
ご冥福をお祈りします。