2022北京オリンピックでドーピング問題に揺れるワリエワ選手。
金メダル候補だった彼女は、SPは首位発進したものの、フリーでは後半に崩れ、まさかの4位に転落。
そんな彼女を始め、多くのトップ選手を指導してきたのがエテリコーチでした。
同じく北京オリンピックで銀メダルを獲得したトゥルソワ選手も指導しており、エテリコーチのハグを拒否されるという衝撃的な展開にも発展しました。
今回は、凄腕指導者でもあり、多くの黒い噂のあるエテリコーチの経歴についてまとめました。
エテリ・トゥトベリゼ・コーチwiki経歴プロフィール
- 名前:エテリ・トゥトベリーゼ
- 生年月日:1974年2月24日
- 年齢:48歳(2022年2月現在)
- 職業:フィギュアスケートコーチ
血筋は1/2がグルジア人、1/4がロシア人、1/4がアルメニア人。
トゥトベリーゼは、5人兄弟の末っ子として誕生します。
父親には、5人兄弟にも関わらず、「息子が一人」と言われてきたそう。
トゥトベリーゼという苗字を持つのは息子だけで、家系を継ぐのは息子だ、女の子たちは子どもの数には入らない
そのため彼女は、女の子も数に入るのだということを証明したいと思っていたそうです。
スケート選手としては、元々はシングル選手で、後にアイスダンス選手に転向しています。
選手生命はケガによって引退を余儀なくされていますが、その後コーチに転身し、成功を収めています。
彼女自身は未婚ですが、2003年にラスベガスで娘のダイアナ・デイビスを出産。
その娘もアイスダンス選手で、娘のコーチも務めています。
アイスダンス選手のなった理由
娘のデービスは幼い時から感音難聴を患っていました。
耳の問題がある人は1人で滑るとケガする確率が高いとして、母親の勧めでアイスダンスの選手になったそうです。
コーチとして活躍するまで
現役時代に負ったケガについては、1995年のオクラホマシティでのテロ事件でした。
ロシアのアイスショーに参加するためアメリカに向かった際のこと。
テロで爆破された建物から交差点を渡ったところにあったYMCAの寮で彼女はテロに遭遇します。
そこで背中に怪我を負い、テロの被害者となります。
アメリカには、その後6年間居住。
アイスショーのIce Capadesで3年ほどアダージョペアスケーターとして参加したのちにアメリカでコーチに転身しました。
しかし、この穏やかで落ち着いた生活は彼女にとってはもの足りず、ロシアに戻り、ゼロから人生をやり直すことに決めます。
ただ、ロシアでコネもない彼女は、帰ってきてすぐにちゃんとした仕事に就くことはできませんでした。
そのため、屋外の簡易スケート場で初心者のトレーニングをするなどをし、そんな生活が10年ほど続きます。
2008年、長年の試練を乗り越えると、トゥトベリーゼは「フルスターリヌィ」と呼ばれるモスクワのアイスリンクにたどり着きます。
これが、のちに世界中で有名になるアイスリンクとなります。
コーチ2シーズン目には、教え子であるポリーナ・シェレペンがジュニアの大会で勝利。
トゥトベリーゼがコーチとしての成功が認めらることとなります。
その後は、ユリア・リプニツカヤ選手が素晴らしい活躍をし、2014年のソチオリンピックの団体戦で金メダルを獲得。
リプニツカヤ選手はアメリカの「タイム誌」の表紙を飾り、トゥトベリーゼコーチも脚光を浴びることになります。
その後も、2018年の平昌オリンピックでは、
アリーナ・ザギトワ選手が金メダル、エフゲニア・メドベージェワが銀メダルを獲得。
両名とも、トゥトベリーゼが指導した選手でした。
2020年のISUが選ぶ最高のコーチにも選ばれ、教え子たちに次々とチャンピオンのタイトルを獲得させている彼女。
2022年の北京オリンピックでも、彼女が指導していたカミラ・ワリエワ選手は、金メダル最有力候補として注目を浴びていました。
エテリ・トゥトベリーゼ・コーチの評判は?
素晴らしい功績を収めたトゥトベリーゼコーチですが、その指導方法はとても厳しく、賛否両論があります。
その指導方法もご紹介したいと思います。
①教え子同士で競争させる
それぞれの教え子に等しいチャンスを与え、苦しい練習をさせつつ、教え子同士で競争させること
これが彼女の思想でした。
教え子たちは、毎日、自分のプログラムを何度も演技し、どんなに疲れても、トレーニングを重ねるそう。
チャンピオンになってもその特権はなく、全員一律スケーティング、振り付け、ストレッチ、室内トレーニングを繰り返すのだそうです。
「愛する皆さん、メダルを手にするために努力してきたと思いますが、この後も同じやり方でさらに前進していくのです。表彰台から落ちてしまえば、もはや何者でもありません。次にもう一度、台上に上がって証明するまでは。過去のメダルがいくらあっても、それは将来あなたを助けてくれるものではないのです」
②表彰台に登れる3人を育成
また、最近は、表彰台に登れる人数である”3人”を育成しているそうです。
これには、個人としての尊厳がないと批判されることもありました。
③過酷な練習の数々
前述の通り、競技中に水を飲めないなど、かなり厳しい練習をさせているというトゥトベリーゼ。
かつてのメドベージェワ選手がリンクでジャンプを何度も失敗するのを見て、
「失敗するのが好きなの?じゃあ、転倒するのを手伝ってあげる」
と言い、氷上を引きずり回したそう。
④思春期を遅らせるための薬を飲ませている?
ルプロンを接種することで思春期を遅らせている
との噂もある様子。
女子選手が4回転を跳ぶには、体重が軽いほどいいのだそう。
そのため、粉末栄養剤か更年期障害を誘発することで知られるルプロンを接種することで思春期を遅らせているとのことなんです。
平昌で優勝したザギトワ選手は、その後身長が一気に7センチ伸び、その後のスランプの原因になりました。
同じく銀メダルのメドベージェワ選手も故障が相次ぎ、2021年1月には時期こそ明言しなかったものの、摂食障害を患っていたことを告白しています。
⑤選手は使い捨て
上記の平昌で活躍した2人(ザギトワ、メドベージェワ)は、どちらも10代後半から20歳にかけてスランプに陥っています。
その2人に入れ替わるように、2003~04年生まれ世代の
- アレクサンドラ・トルソワ
- アンナ・シェルバコワ
- アリョーナ・コストルナヤ
が台頭しています。
このように、引退年齢が若いことから、
『エテリ(トゥトベリーゼ)の有効期限』
と呼ばれているそうです。
⑥食事制限
体重管理も徹底していました。
毎日体重計に乗らされて、100g増えていると怒られたそう。
毎日、茹でた鶏肉を食べて、パスタや甘いものはダメだったそうです。
痩せなさいと言われたら、どんな方法であろうとも痩せなければならなかったとのことです。
ダリア・パネンコワ選手は、天才少女と言われたにも関わらず、17歳で競技から引退することになります。
2018-19年シーズンに転向したシニアでは苦戦が続き、その要因について”体重制限”を語っていました。
幼少期から痩せにくく、体重管理には苦しんできたという彼女。
「今季は体重は増えたり減ったりしています。変わりゆくその時々の体重に慣れることができません。これが不安定さの主な理由です」
「痩せなかった時は例えば、サラダと鶏肉入りご飯を食べていました。さらに余分なカロリーを省く必要があった時はサラダだけ。朝食は以前はおかゆとリンゴを食べていましたが、今は何か一つだけです」
このような実態に、国際スケート連盟(ISU)は、フィギュアスケートのシニア大会に出場が可能となる年齢制限について、
現行の15歳から17歳への引き上げ
を検討していると言います。
⑦揺らぐ少女に容赦ない詰問
また、2022北京オリンピックでドーピング問題の渦中にあるワリエワ選手。
フリーで崩れ、4位という結果に。
演技を終えて動揺した様子でリンクから戻ってきたワリエワ選手に、トゥトベリーゼは
「なぜあきらめたの? なぜ戦いをやめたの? 説明して」
と詰問していました。
15歳の少女が背負ったものはとてつもなく大きいものであるにも関わらず、そのような言葉を投げかけれるのは流石に心がないとしか思えません。。
⑧トゥルソワ選手がハグを拒否
さらに、北京オリンピックでは、銀メダルを獲得してトゥルソワ選手がハグを拒否するシーンも。
“私はもう二度と氷の上に立たない”
試合後にトゥルソワ選手が言った言葉。
この態度を見る限り、このコーチは相当嫌われてんだろうな。じゃなきゃこんな強引に避けない。#フィギュアスケート
#figureskating pic.twitter.com/JDhtLkwKVe— M (@M69149994) February 17, 2022
トゥルソワのコーチ陣への怒りどうなってるんだ pic.twitter.com/rsE3ABH8IZ
— フジマ (@Jicheolxxx) February 17, 2022
「4回転ジャンプ5本を着氷しても金メダルに手が届かなかったことに対する怒り」
とのことのようですが、コーチの抱擁をここまで拒否するとは、何か闇を感じます。
トゥルソワ選手は、
「二度とリンクに出たくない!絶対!こんなの無理!表彰式なんて行きたくない。みんな金メダルがあるのに私にはない」
と泣いていたそうで、トゥルソワ選手のメンタルも気になるところです。
⑨傲慢で自惚れな性格
高額なルイ・ヴィトンのコートを着ていることも話題になっている彼女ですが、、
プレスと親しくせず、教え子が別のコーチの元に移ることに嫉妬心を隠さず、露骨に嫌がるタイプの人間だそう。
また、コーチ仲間たちからもかなり不評な様子。
表彰台はトゥトベリーゼの教え子たちに独占され、結果が出ないコーチやスポーツクラブには資金の援助もないそうなんですね。
こういった結果至上主義は、敵を作ることも多いですね。
まとめ
今回は、トゥトリーゼコーチの経歴や評判についてまとめました。
10代のまだ若い選手は、厳しすぎる指導、選手生命の短さや台頭してくる下の世代の子達、多くのプレッシャーを抱えていたと思います。
トゥトリーゼコーチには、そんな不安定な彼女たちを機械のように使い捨てのように扱っているような印象を抱きます。
ドーピング問題も、いつかはこのようなことが起きるのではないか、という不安が的中した形となってしまいましたね。